スマホのホーム画面、実はもうデザインしている

スマホのホーム画面のアイコンを、自分が使いやすいように並べ替えたことはありませんか? よく使うアプリを一番手前に置いたり、あまり使わないものをフォルダにまとめたり。友達のホーム画面を見せてもらったら、自分とはまったく違う並びで驚いた、という経験がある人もいるかもしれません。 では、あなたはなぜその並びにしたのでしょうか。 実は、この「使う人にとって分かりやすいように整える」という行為は、デザイナーの仕事の入り口とよく似ています。 デザイナーと聞くと、「絵が上手い人の仕事」「センスがある人だけの世界」というイメージを持つ人もいると思います。でも、デザインの仕事はそれだけではありません。 今回は、中高生からよく聞かれる4つの疑問をもとに、デザイナーという仕事について紹介します。

Q1. 絵が上手じゃないと、デザイナーにはなれない?

結論から言うと、絵の上手さとデザイナーの仕事はイコールではありません。 好きな配信者のサムネイルを思い浮かべてみてください。 細かなイラストが描かれたものもあれば、写真に大きな文字を置いただけのシンプルなものもあります。 どちらにも共通しているのは、「どうすれば見た人に伝わるか」が考えられていることです。 文字をどのくらい大きくするのか。どの色を使えば目立つのか。一番伝えたい言葉をどこに置くのか。 そこで必要になるのは、絵を描く技術だけではなく、相手にどう伝えるかを考える力です。 ミラジェネでも、これまで自分の絵を家族以外に見せることが苦手だった生徒が、ロゴのデザインには最後まで取り組み、完成させたことがあります。 絵を描くことと、伝わる形を考えることは、同じではありません。 「絵が得意じゃないから、自分にはデザインは無理」と決める必要はないのです。

Q2. AIがあれば、もうデザイナーはいらない?

最近は、AIに言葉で指示をするだけで、画像やレイアウトを作れるようになってきました。 「それなら、これからデザイナーはいらなくなるのでは?」と思う人もいるかもしれません。 でも、AIが得意なのは、指示されたものを形にすることです。 その前には、 「誰に届けるのか」 「何を伝えたいのか」 「どんな印象を持ってほしいのか」 を考える必要があります。 たとえば翻訳アプリは、外国語を一瞬で日本語に変換できます。でも、「友達に話す言葉」と「初対面の大人に送るメール」では、ふさわしい言い方が違います。 デザインも似ています。 AIによって、画像を作ったり、配置を考えたりする作業はこれからさらに変わっていくでしょう。 一方で、そもそも何を作るべきなのかを考え、目的に合っているかを判断することも、デザインの仕事の一部です。 これからのデザイナーには、「自分ですべて作る力」だけではなく、AIを含めたさまざまな道具を使いながら、より良い答えを考える力が必要になっていくのかもしれません 。

Q3. デザイナーって、実際には何を作っているの?

「デザイナー」とひとことで言っても、仕事の種類はたくさんあります。 たとえば、 お菓子や化粧品のパッケージを考えるグラフィックデザイナー。 Webサイトを作るWebデザイナー。 アプリの画面や操作方法を考えるUI/UXデザイナー。 本や雑誌の誌面を作るエディトリアルデザイナー。 ほかにも、広告、ロゴ、ゲーム、空間、家具、ファッションなど、さまざまな分野にデザインの仕事があります。 私たちが普段使っているものの多くは、誰かが「どう見せるか」「どう使ってもらうか」を考えて作っています。 共通しているのは、ただ見た目をかっこよくするのではなく、その先にいる人のことを考えて形をつくることです。

Q4. デザイナーの1日って、どんな感じ?

デザイナーの1日は、職種や会社、働き方によってかなり違います。 たとえばWebデザイナーの場合、朝にメールやメッセージを確認し、依頼主との打ち合わせを行い、その後にデザインを作り、午後には確認や修正のやり取りをする、といった流れがあります。 つまり、ずっとパソコンに向かって絵を作っているわけではありません。 「話を聞く」 「考える」 「形にする」 「相手の意見を聞く」 「もう一度考える」 という工程を何度も行き来します。 実は、デザインの仕事では、手を動かしている時間と同じくらい、考えたり、人と話したりする時間も大切です。

ミラジェネでやっていることも、少し似ています

この流れは、ミラジェネのレッスンで行っていることにも少し似ています。 ミラジェネでは、 座学で考えるための知識を学び、 対話しながら自分の考えを整理し、 実際に作品を作り、 最後に「なぜこうしたのか」を発表します。 そして、先生やほかの人の反応を見ながら、「もっと伝わりやすくするにはどうすればいいだろう」と考えます。 これは、デザイナーが依頼主の話を聞き、考え、形にして、フィードバックを受けながら改善していく流れとよく似ています。 また、ミラジェネでは、自分が何を好きなのか、何にこだわっているのかに気づくことも大切にしています。 何気なく選んでいる色や題材にも、その人らしい視点が表れるからです。 「自分には個性がない」と思っていても、作品をいくつか作っていくうちに、「自分はこの色をよく使うな」「こういう形が好きなんだな」と気づくことがあります。 そうした自分なりの視点を、誰かに届く形に変えていくことも、デザインの面白さのひとつです。

まとめ:デザイナーは、遠い仕事ではありません

絵が上手いことも、特別なセンスを持っていることも、デザイナーになるための絶対条件ではありません。 大切なのは、 「誰に」「何を」「どう伝えるか」を考えることです。 ホーム画面のアイコンを並べ替えたときのような、「こっちの方が分かりやすいかも」という小さな工夫。 誰かに何かを伝えるために、「どうしたらもっと伝わるだろう」と考えること。 そうしたところから、デザインは始まります。 もしあなたがデザイナーになるとしたら、何を、誰に届けてみたいですか?