AIに絵を描かせたら、なんだか物足りない。そんな経験はありませんか

ある生徒が、AIに「かっこいい怪獣を描いて」と頼んだことがありました。数秒で怪獣は出てきましたが、本人は「なんかちがう…」とつぶやいて手を止めてしまいました。よくあるタイプの怪獣で、自分がイメージしていたものとは似ても似つかなかったからです。

そこで次は、描いてもらう前に短いメモを取ってみることにしました。「怖いけど、ちょっと可愛い」「夜にこっそり出てくる感じ」「友達を驚かせたい」。たった数行です。それを踏まえてもう一度AIにお願いすると、さっきとはまったく違う、その子らしい怪獣が出てきました。

「なんでも出して」と「これでお願い」は、頼み方からして違う

これは、レストランの注文に少し似ています。「なんか美味しいもの出してください」とだけ伝えると、お店側は無難なメニューを選ぶしかありません。でも「辛くないもの、麺類で、20分以内に食べたい」と伝えれば、出てくる一皿はぐっと自分の希望に近づきます。

AIも同じです。何も考えずに「怪獣を描いて」と頼めば、それなりに整った怪獣は出てきます。でも、それは誰かの理想の平均値のような怪獣です。自分だけが思い浮かべていた表情や仕草は、言葉にしない限りAIには伝わりません。

頼む前の数分が、実は一番大事な時間

文部科学省のガイドラインをもとにした解説でも、生成AIを学びに取り入れる際は「AIの答えはあくまでヒントであり、自分の頭で考えることが大切」だと繰り返し伝えられています。これは絵を描くときも同じだと、ミラジェネは考えています。

AIに頼む前の「どんな感じにしたいか」「誰に見せたいか」を考える数分間こそ、実は一番自分の力が育つ時間です。ここを飛ばしてAIに丸投げすると、できあがるのは誰が作っても似たような絵になりがちです。逆に、ここでいったん立ち止まって考えると、同じAIを使っても、その子にしか出せない絵になっていきます。

ミラジェネの授業でも、まず「言葉にする」時間を大切にしています

ミラジェネのレッスンでは、いきなり手を動かす前に、生徒の考えを引き出す対話の時間を設けています。そのうえで制作に入り、できあがった作品は発表で「なぜこう作ったのか」を自分の言葉にしてもらいます。最後はみんなで感想を伝え合い、「ちゃんと伝わったかどうか」を確認します。

この流れは、AIを使うときにも応用できます。手を動かす前に少し考える。できたものを見て、自分の意図とどれくらい近いか確かめる。そのくり返しが、AI時代における表現力の土台になると、ミラジェネは考えています。

おうちでできる、ちいさな声かけ

お子さんがAIで絵を作っているとき、「それAIが描いたの?」と聞くよりも、「どんな感じにしたかったの?」と聞いてみてください。うまく答えられなくても大丈夫です。聞かれることで、本人の中で考えが少しずつ言葉になっていきます。

AIを使うこと自体は、悪いことでも特別なことでもありません。大切なのは、その前にほんの少し、自分の頭の中を覗いてみることです。

まとめ

AIは、思いついたものをすぐに形にしてくれる心強い存在です。だからこそ、その前に「自分は何を描きたいのか」を考える時間が、これからの表現力を左右します。ミラジェネでは、この考える時間そのものを、対話と発表を通してじっくり育てています。